1月実施のチャレンジテストの中1・中2の問題がようやく公開

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チャレンジテストの問題が公開
2017年1月12日に府内の公立中の中1・中2生を対象としたチャレンジテストが実施されました。
その時に,残念な問題が起きたことはすでに以前のエントリ(その1・その2)でお伝えしてきました。

これまで通りであれば,実施から半月ほどで問題・解答一式は公開されていたのですが,今年は大量欠席などの状況の後始末もあったのでしょうか,例年に比べて1週間ほどの遅れとなりました。
2月3日付でようやく中1・中2対象で実施されたチャレンジテストの問題・解答が公開されました。
平成28年度 大阪府中学生チャレンジテスト-調査問題・正答(例)について-(大阪府教委HP)

今回はそこらへんについてコメントをしていきたいと思います。
本当はもっと早くにエントリを書き上げたかったのですが,私用・仕事でバタバタしまくってずれ込み過ぎました……orz

気になったこと

何で古文の文章が秘匿扱いなのか?

古文の本文秘匿はおかしくない?
今年度(平成28年度)の問題をざっと確認していますが,国語のところでひっかかるところがありました。
例年であれば,国語の問題では現代文は引用文が秘匿され,古文では引用文が記載されていましたが,平成28年度実施の国語の問題一式(今年1月実施の中1・中2+昨年実施の中3)は,古文の引用文までが秘匿されるという過剰対応が目に付きました。

今回公開された問題(+中3)を確認してみましたが,使われたものは中1が『軽口御前男』(江戸時代),中2の『古事談』(鎌倉時代),昨年6月実施の中3は『私可多咄』(江戸時代)でした。
秘匿されている部分に現代語訳があったのであれば,現代語訳の部分については秘匿されることもやむを得ないと思います。

しかし,元の文章の原著者はそれぞれ鎌倉時代・江戸時代の人ですから,もともと書かれた文章そのものは著作権の保護期間なんてとっくの大昔に満了済みのはずなんです(戦時加算というややこしいルールはあれど,鎌倉時代・江戸時代である以上とっくの昔にクリアされているわけで……)。

それにもかかわらず,古文の引用文まで秘匿する必要があったのでしょうか。
ここの対応に関しては,どう考えても頭の中から違和感が拭えません。

おそらく,今回の中1・中2の古文は岩波書店の『日本古典文学大系』『新日本古典文学大系』あたりから引用したのでしょう。
古典文学大系は昭和~平成にかけて発刊されているので,府教委サイドとしては万が一を考えて秘匿したのではないかという気がしますが,古文の本文を秘匿するって対応はいささかおかしいのではないかと言わざるを得ません。

入試問題をはじめとする試験問題公開についての注意点

著作権には要注意
試験問題を完全な形で公開する場合,ネックになってくるのが国語・英語・社会あたりでの著作権の対応です。
長文問題で外部の文章の引用が基本となる国語,外部の写真を使う可能性が高い社会あたりは,ここらへんの対応を慎重に行わないといけません。

学校現場(営利目的の予備校や私塾を除く)での試験問題(入試も含む)の作成・実施までは著作権が制限される行為に該当するのですが,試験問題を外部に公開する場合に関しては制限対象にはなっていません。

したがって,試験問題をHPで公開したりする場合,引用文や写真は伏せられることが多いのです。

引用文まで公開する場合は,著作者か著作権管理を代行している組織などの許可を得なければなりませんし,当然そのための費用も必要となります(国語であれば,主に日本文藝家協会を窓口に許諾申請を出す形になるでしょうかね)。
言うまでもありませんが,今回の場合にその費用を出すとすれば,税金からの支出。
さすがにそれは……となりますね。

なので,過去問集を販売している企業さんは,ちゃんと許諾を得ているわけですね。
国語の現代文とかだとどうしても許諾を得られない作家さんもいらっしゃるのがネックだったりするわけですが……。

なお,英語の場合は公立高校入試レベルあたりまでなら作問者側が完全にオリジナルで書き下ろす場合が少なくありませんので,外部からの引用文(長文)が無ければ著作権の問題は生じにくいです(当然,ネイティブのチェックも済ませてあるはずです)。

最期に

今回公開された社会科の分析(今回の中2)については,今後改めてということにさせていただきます(中3の分もいずれは……)。

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